好きなゲームを看取りたい。

スマホゲーの話とかする。

トリックスターを看取りたい。

トリックスター 召喚士になりたい


このゲームの話をするために、ブログタイトルをこれにしたようなものだ。


本作は2004年~2014年までの10年間、パソコン用のオンラインゲームとして運営されていたトリックスターというゲームと世界観を共有するスマートフォン用ゲームだ。

(追記:正式サービス開始は2005年でした。

2004年はクローズドベータテストやってた時期ですね。申し訳ありません。)


以下、トリックスター召喚士になりたいをトリスタ召喚士、MMORPG時代のトリックスターをトリスタと表記する。


トリスタは可愛い絵柄と、キャラクターの見た目と性別で性能が変わるというほかのゲームにありそうでないシステムから「このゲームからネカマに目覚めた」という人も多い人気ゲームだった。

私がプレイしはじめたのは2007年頃、ちょうど名称がトリックスター+からトリックスター0に変わる頃だっただろうか。プレイしている途中でゴーストブルーエリアがリニューアル実装されたのを覚えている。


ゲーム内容は当時のオンラインゲームとしては特別珍しいものではなかったが、とにかく可愛らしい絵柄でリアル系の絵柄が苦手なユーザーと難しいゲームができないユーザー、パソコンのスペックが低くてアクション要素のあるゲームがプレイできないユーザーの心をがっちり掴んでいた。

パーティゲーの要素が少なく、レベル上げ狩りは経験値倍率のためにパーティは組むものの行動はほぼソロという手軽さも、学業とバイトに勤しんでいた当時の私には都合がよかった。

正直やることのお粗末な運営や、アップデートの度に不具合を出すクライアントソフトにぶちギレたことも1度や2度ではなかったが、今思い出せば「トリスタは楽しかった」という良い思い出の方が印象に残っている。


私はアップデートを重ねるにつれクライアントがエラーを吐くようになりログインできないことが増えてそのままフェードアウトしてしまったが、当時からのユーザーには2014年のサービス終了まで運営移管を乗り越えてゲームを続け、最期を看取った人も少なくなかったようだ。


そんなトリックスターが、スマホゲーとして生まれ変わると話題になったのが2016年の春のこと。

新キャラクターの存在や、MMORPGではなくすごろくとターン制RPGを合わせたようなポチポチゲー化、当時を思い出すような落ち着きのない公式に嫌な予感がしつつも、懐かしいBGMが配信されたりとトリスタユーザーは大いに盛り上がった。

初めに言っておくが、この手のゲームにありがちなことだが配信前~配信1週間程度が1番盛りあがっていた。


そして2016年5月24日、トリックスター 召喚士になりたいのサービスが開始した。

配信当初は実装されていない項目やキャラクターも多く、正直、万人にウケるようなゲームではなかったが、トリスタ当時を思い出させるような画面構成やBGMでチャットチャンネル1は大盛況となる(ただしその大盛況だったチャットもチャットチャンネルがログインの度に切り替わる、チャットチャンネルが多すぎて目的分けされてない、チャンネル1で古参がうるさいなど問題を残すサービスインではあったが。)

こうしてトリックスターはトリスタ召喚士として復活を遂げた……と思われた。


このゲームのためにこのブログを立ち上げたと言ってもいい、と言った時点でバレバレだが、トリスタ召喚士は2年経過した今現在完全に生きながらに死んでいるゲームと化している。

オートでサクサク!を売りにしながら微妙に育成しにくいシステムや、同じキャラにも体力型、防御型などステータス違いが複数存在するあからさまなかさまし、そもそもすごろくげーとしてもRPGとしても微妙に面白くない(個人の感想によるものです)、MMORPG時代を思い起こさせるようなガチャと強化システムによる目に見えた集金と、トリスタ召喚士は思い出だけで生きていくにはしんどいゲームだったのだ。


また、トリスタ当時はゲーム界隈でトリックスターと言えばトリスタのことを指すと言ってもいいぐらいの知名度はあったのだが、トリスタ召喚士はほかの「トリックスター」に知名度で負け、Twitter等で話題にしているユーザーを検索しにくかったのも大きかった。私の観測圏内だとあんさんぶるスターズで何か動きがある度にゲーム内ユニットである「Trickster」の話題に食われてトリスタ召喚士はほとんど検索に引っかからなくなった。

時代の流れは残酷である。


トリスタ召喚士の開発は韓国オンラインゲーム運営会社のNCsoftの子会社であるNtreev Softが行っていたのだが、実はこのトリスタ召喚士、韓国では既にサービスが終了している。

Ntreev Soft自体は検索しても情報がほとんど出てこないが、公式サイトが404になっているので親会社に吸収されるか潰れるかしたようである。(追記:韓国公式サイトはまる1年放置されているものの現存していた。失礼しました。)

日本での運営はデスティニーチャイルドで有名となったSTAIRS。何を思ってトリスタ召喚士を生かしているのかは分からないが、アプリの更新は1年前からなく、公式Twitterも今年の7月で完全に止まった。

つまり現在のトリスタ召喚士は今後の更新の見込みのない「サーバーが生きてるだけの死んだゲーム」なのだ。


私はつい最近までこの辺の事情を全く知らなかった。

何故ならサービスインから3ヶ月程度でトリスタ召喚士に見切りをつけてしまっていたからだ。トリスタ時代の人気キャラやPCキャラが金儲けのためだけに使われているのを見ているのが忍びなかった上に、それを買い支えるだけの魅力も感じなかったからなのだが、ふと考えることがある。

もしトリスタ召喚士がもっと集客、集金できるゲームであれば、私たちがもっとお金を使えるゲームであれば、一時的でも旧トリスタの復活なども有り得たのかな、と。


そしてゲームの話をするブログを立ちあげようと思った時に、まずこの話をしようと思った。

今のトリスタ召喚士は、既に死んだトリスタのゾンビだ。

私はかつていくら待っても起動しない蔵に阻まれてトリスタを捨て、2014年のサービス終了を看取れなかった。

だからこそ、墓から掘り返されて再び死んだにもかかわらず眠らせても貰えないトリスタ召喚士の最後を看取りたい。


……ここまで書いておいてなんなのだが、Android限定で今だにロールプレイングジャンルの売上500位以内に入る瞬間があるらしい。完全に死んだと思っていたのでここまで書くまで調べなかった。

廃課金が延命措置をしているようなので、死んだゲーム扱いするのは失礼だったようだ。

とはいえゲーム総合や総合売上にはかすりもしてない上に開発が死んでるので、やっぱり死んでると思う。


ここからはいま、これから2度目の埋葬に向かうだろうトリックスターを看取るために2年を経て再ダウンロードしたトリスタ召喚士の話をする(もう二度とやらない気がしていたのでアンインストールしていた)。

記憶にあったよりサクサク動いて驚いているんだけど、これ人がいなくてサーバーが軽いんだ……私サービス開始直後の盛り上がっていた時期しか知らないから……。

チュートリアルが相変わらず面白くなかったので、やっぱりこのゲーム死んでるなと思った。


看取る気はあるがチュートリアルが面白くなかったので、ブログでちょいちょい話題にあげつつ継続していきたいと思う。

……2年くらいこのままゾンビしたらどうしよ。