好きなゲームを看取りたい。

スマホゲーの話とかする。

世紀末デイズはまだ生きてる(ギリギリ)

今回は世紀末デイズの話をしたい。


前回の、開発が大元である韓国版を既にクローズし運営がサーバーだけを生かしているゾンビ、トリックスター召喚士になりたいに比べればこのゲームはかなり「生きている」し、ガチャに必要な石の軽減という大幅な課金へのテコ入れを控えている。

本ゲームの配信元は最近サ終の危機から奇跡の復活を遂げて何かと話題のメギド72と同じDeNAであることから、このテコ入れがサ終の前触れなのかそれとも復活に向けた布石なのかは意見の別れるところではあるが、少なくともまだ一儲けしようという気概はあるという事だ。

(ただし、そのテコ入れ後一発目のガチャとイベントの更新が復刻なのでやっぱり死ぬのかもしれない……一応その翌週に新要素のあるアップデートが控えているのだが)


ちなみに今現在のセルランはiPhoneの1ヶ月以内最高がストラテジー部門で150前後、Androidもロールプレイングで月最高200位以内とトリスタに比べたら全然死んでない……ように見えるのだが、ゲーム総合ランキングには一切入ってこない上に、プレイヤー自体はそこそこ居るようなのだ。

つまりトリスタのように更新も途絶え人口も少ないゲームと違って多くの開発費と維持費が掛かっている。かなり危ないラインにいることは間違いないだろう。


先に売上の話をしてしまったがゲームの話に戻りたい。

世紀末デイズはDeNAコンシューマゲームでおなじみスパイク・チュンソフト共同開発によるダンジョン探索RPGだ。

ある程度ゲームに詳しい人なら「不思議のダンジョンシリーズにガチャソシャゲ要素を加えたやつ」と言えばそれだけで大体想像がつくだろう。

そして、その二つの食い合わせが悪いことも同時に想像がつくだろうが。


はじめに言っておくと、世紀末デイズは決して面白くないわけではない。

オートモードは程よくサクサク進むし、キャラクターに役割分担させてのダンジョン探索の楽しさや、装備を強化して先ほどぼろ負けした敵に再び挑むトライアンドエラーを繰り返した先の達成感もある。ソシャゲによくあるフレンドシステムも、ダンジョン内で倒れた時に助けを呼べる救援システムのある不思議のダンジョンシリーズとは相性がいい。


それらとガチャゲーの側面が、新規ユーザーがゲームに慣れるまでの導線と恐ろしく噛み合っていないだけだ。


まずキャラクターの属性とクラスの話をしよう。

キャラクター、及びダンジョンには市街、荒野、高所、屋内、森林、異界、地下という7つの属性がある。何言ってんだお前。

スマホゲーに限らず属性という概念のあるゲームにおいて、三つ巴以外の属性の相関は覚えられないという話をよく耳にするが、相関以前の問題として属性の名前を覚えさせる気が無さすぎる。

相関図があるわけではなく、同じ属性のキャラで大ダメージを与えられるシステムのため本気で覚えさせる気もないのかもしれない。


さらにキャラクターにはそれぞれの役割に応じて探索班、戦闘班、護衛班、魔能班、狙撃班、医療班、屍人という7つのクラスに振り分けられる。

スパチュンはDeNAとガチャゲー作るんじゃなくてセガとコラボして好きなクラスにキャラメイクできるセブンスドラゴン新作とか作ればよかったんじゃないかな……あれはイメエポだけど……。


やっているうちに属性一致させるより護衛、魔能、戦闘、医療などその時に必要なクラスを絞って各クラス1人~2人だけを育てる方がよっぽど強いことに気づくのだが、チュートリアルで教えてもらえる「おすすめ編成機能」を使うと、容赦なく推奨レベル13のダンジョンに属性一致のレベル5のキャラクターをねじ込んできたりするため新規ユーザーは属性を揃えなくてはならないのかと思わされてしまう。


ここで大体の不思議のダンジョンゲーとは違い「レベルアップする」という点が足を引っ張る。メインパーティの育成が進めば、新規加入キャラクターもコゼニ(ゲーム内通貨)と強化アイテムを使ってレベル2~30まですぐだが、おすすめ機能に翻弄されているようなユーザーレベルの頃では強化アイテムもコゼニも少なく、育成ダンジョンに行くには敷居が高く感じる。まだ育成手段が少ないため、「使えるキャラが少ない上に育てることも出来ない」と感じてしまうのだ。

当然ながらレベル上げ前提で作られているため、不思議のダンジョン経験者でもあまりにも低いレベルではダンジョン制覇は不可能に近い。


新規ユーザーのためにはこのおすすめ機能削除した方がいいと思うよ。


とはいえ、スマホゲーとしてソーシャル要素と組み合わせるならある程度の難易度まではレベルを上げて力技で進むことが出来なければユーザーを振り落としてしまうし、最近は不思議のダンジョンでもレベル継続制を導入しているものも多い(ポケモンとか)ので、レベル継続制をやめたらもっと新規ユーザーは逃げるだろうが。


属性一致にこだわらずに1点強化で育成することを覚えたあとは、鍵ダンジョンの経験値ダンジョンでレベルを上げ、レベル上げ中に出た装備を少し育てて、シナリオ探索パーティには自軍かフレンドに回復役の医療班を入れておけばある程度のところまではオート進行でもサクサク進めるだろう。

そこにたどり着くまでに投げないかがこのゲーム1番に人を選ぶところではないだろうか。

イベントもどの程度頑張ればいいかもゲーム内の説明からは全く推測できないし、不思議のダンジョンらしさと言えばらしさだが新人へはもう少し優しくした方がいいと思う。


個人的には1点強化で育てる方が強いという時点で「そりゃガチャ回んないわ……」という気持ちと「面白いのになあ……」という気持ちが入り交じるゲームなのだが、ガチャテコ入れと「もっと不思議なダンジョン」に当たると思われるデスプロムナード実装でどうなるか今後も見守っていきたい。

私は不思議のダンジョン系では装備持ち込みありのダンジョンはまあなんとかなるが、もっと不思議で悶え苦しむ程度の不思議のダンジョンユーザーだが、現状は不思議のダンジョンというより仕事の合間やふとした空き時間にオートで走らせておいて時間が経ったら結果を確認する放置ゲーのつもりで楽しんでいる。

課金欲に繋がらないため公式的には有難くないユーザーかもしれないが、その位のつもりでプレイする分には十分楽しい。スマホゲーにありがちな虚無の時間もあんまりない!


装備に関しては不思議のダンジョン系なんだしいっそドロップオンリーにしていいと思うんだ……。強化施設としてクラフトと強化両方ある上に結局良装備狙うにはダンジョン周回が必要なの、目的がブレない?

どうしてこんなに初心者目線でのシステム面をグチグチいうのかと言うと、死にかけてるゲームはだいたい攻略サイトの更新が滞っていて、この辺の初心者殺しを初心者が乗り越えられないまま離れていくパターンが多いのだ。

ゲームは死んでないのに攻略サイトが軒並み機能してないツムツムランドなんてゲームもあるが。

ゲームを死なせるつもりがないのであれば、せめて序盤だけでも公式を見れば攻略可能なようにしておいて欲しい。


冒頭で触れたメギド72もチュートリアル改修を含む大型アップデートと、記念日を作りそこへ向けて盛り上げていくことで息を吹き返したゲームだ。

世紀末デイズもゲーム内容そのものは悪くないものを秘めていると思うので頑張って欲しいものである。



余談なのだが、最近のDeNAはこのゲームといいメギドといい、プロデューサーレターなどで今後このゲームがどこに向かいたいかを明確にしてくれていて、プレイしている側にとってはプレイを続けるにせよ見限るにせよとてもいい判断基準になっている。

天華百剣もプロデューサー的なものが好感度高いと話題になっていたし、ぜひこの方向性で進んで欲しい。