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紅蓮をやってる人間の今更蒼天感想 ヒカセンと英雄の孤独編

※一切のネタバレ配慮を放棄しています。


 キャラメイク型主人公に個を見出すタイプのゲーマーなのでヒカセンヒカセンうるさい。一般的にヒカセンというと主人公を指す場合とプレイヤーを指す場合があると思いますが、本記事内においてヒカセン≠プレイヤーです。ヒカセンだったりヒカセンちゃんだったりヒカセンチャンだったり表記ゆれがあるのは私の気持ちの問題です。

 また、今回新生終盤~イシュガルド終盤までの話をまとめていますが、現在紅蓮終盤をプレイしているため、記憶が曖昧な部分があります(TwitterとDiscordのログをもとに書いています)。

以下本文。


 みんなに蒼天に入る前に竜騎士(今思えばニャン的な意味で)と暗黒騎士はやったほうがいいよと言われていたため、白学だけ育てた状態でイシュガルドにたどり着いたあと、槍30と暗黒50のジョブクエまで進めてから蒼天を開始しました。

 槍も竜50までやりたかったんだけど力尽きた。


 あとで2.55前後のストーリーの話をするので時系列が前後しますが、先に暗黒騎士クエの話をします。

 割と初っ端のジョブクエでインスタンスバトルで道に迷ってにっちもさっちも行かなくなったんだけど方向音痴が過ぎないか???(道を見逃してどこいっても通行止め!!ってキレてた)


 言動どころか開始クエの導入からして存在そのものがめちゃくちゃ不穏なフレイくん。ところどころ違和感を覚えるところはありつつも、基本的にはヒカセンチャンに寄り添ってくれるのでメインクエストも一緒に来てよお!!とか言ってたんだけど、蛮神討伐の話が出た際についにフレイくんの正体を推測できる叫びが飛び出す。


 プレイヤーでさえ知らなかったヒカセンの恐怖、不安、怒り、孤独。それを他のキャラクターやヒカセン自身に対して叩きつけるフレイくんを見て、2.55までずっと英雄の孤独が辛い、しんどいと言い続けていた私にフォロワーたちが「暗黒だけは蒼天入る前にやっとけ」と事あるごとに念を押してくれていた理由を理解した。

 2.0からはじまる新生FF14のストーリー、2.55までヒカセンはいつも使いっぱしりで都合のいい対蛮神用装置でしかなかった。フレイくんはずっとそれを近くで見て、怒り、悲しみ、結果なかったコトにされたヒカセンの心そのものだったから。


 とはいえ、私はお使いゲーに対して「それほんとに私がやらなきゃいかんことか????」とかブチギレながらプレイするタイプのユーザーのため、フレイくんの発言が全体的に「不良ヒカセンでごめん……全く善意のない流れ作業で人を救ってたわ……」って感じだったし、ヒカセンの英雄の孤独に触れてくれたフレイくんが「ヒカセンが置き去りにした恐怖や不満、孤独」であったことで「結局ヒカセンを理解してくれる人はいないんじゃん!!!」ってめちゃめちゃに泣いた。

 冷静に考えてみれば孤独も恐怖も英雄ではなくてもその人だけのもので、共感はできても共有できるものではないのだけれど、情緒不安定なオタクなのでマイキャラであるヒカセンが理不尽に便利キャラ扱いされているとキレてしまう……。


 ストーリー的にもジョブ的にも、50までの流れだとヒカセンが置き去りにした自身の中の闇を受け入れて新たな力と戦う意志を手に入れる、とい落ち着くべきところに落ち着いたエンディングだったのだと思う。けれど、私としては「ヒカセン本人にまで戦う対象とされてしまったヒカセンの孤独はどこに行くのだろう」「ヒカセンのことを想ってヒカセンに立ち向かってくれるような相手までヒカセン自身だったヒカセンチャンのことを、ただひとりのひととして大切にしてくれるような相手は現れるのだろうか」と、メリーバットエンドを見ているような気分でいた。


 脱線するが、私はファンタジージャンルを嗜んでいるとたまに遭遇する「世界そのものとただひとりの大切な人を天秤にかける話」が性癖であり地雷である、

 基本的には性癖であるからこそ取り扱われ方によってはドドドドド地雷になる複雑なオタク心理をご理解いただければと思う。

 2.55までのストーリーでは、「世界とヒカセンを天秤にかけて死ぬほど悩んでくれるキャラクター」「ヒカセン一人のためなら世界でも敵に回してくれるようなキャラクター」「ヒカセンを守ったり助けたりするためならついでにヒカセンの生きる世界まで救ってくれるようなキャラクター」もいなかった(ちなみにこの嘆きを読んだ光の先輩たちからは5.0まで進めろと口を揃えて言われる。5.0何が起きるんだ)。


 ヒカセンはあくまでもあの世界の取るに足らない一人の冒険者であり、にもかかわらずひとりで戦う力を持った英雄だったから。

 この話をしているとお前の言う英雄の孤独がわからないと反応をいただく事があるのだが、この周りからの扱いのギャップが孤独を感じる一番の要素だったように思う。

 冗長になるのでここでは詳しいことは差し控えるが、かんたんに説明すると2.0で「あなたこそが光の戦士だ!」といった流れになってもまだなお、システム上でもストーリー上でも2.55までヒカセンは使いっぱしりだし自分で家を買わない限り宿にお泊りしているお客様のままだ。


 3.0以降はヒカセンの本質はただの冒険者である、という設定がうまく生かされているカットシーンも登場したが、この時点だと暁も三国の主要人も都合のいい英雄を仕立て上げて使っている感がすごくて仲間だと思われている気も英雄として慕われている気もちっともしなかった。まだストレートに歯向かうやつはゴミだ!!ってノリで来る帝国のほうが筋が通っていると感じたほど……。


 そんな気持ちでいたところで終わらせた暗黒騎士50ジョブクエは、やはりヒカセンちゃんはどこまでも孤独な英雄なのだとこじらせるのに十分なものだった。


-----暗黒の話終わり-----


 一番上にも書いたが、これを書いている今現在は4.0のストーリーが終わり、アラミゴ周りのお片付けをしている段階だ。

 上記の孤独については、現在はだいぶマシになったと感じている。

 そのきっかけの一部は、アルフィノの成長とその成長を促したエスティニアンの存在だろう。以下ニャンと呼ぶ。あと銀色のひとまわりの話は別でするから待って。


 2.0~3.0にかけて、私のアルフィノへの印象は「暁のATM(ただしヒカセンチャンに金はくれない)」だった。今思うと流石にかわいそう。


 頭でっかちで、七光の権力と金に物を言わせて人を従わせる傲慢なキャラクター。それが経験不足によるものであり、自分を強そうに見せないと立場に負けるからだということはすぐに分かる。わかるが好きになれない人も多いだろうなというのが第一印象だ。

 私はこういう小生意気なキャラにはドン底まで落ちて泣いて欲しいタイプのプレイヤーである。2.55のカットシーンから3.0の最序盤にかけてツイートした言葉は「打ちのめされ声の立花慎之介良いぞ良いぞもっと絶望しろ」だった。

 そう、アルフィノはそんなユーザーの期待に応えるかのごとく、一度バッキバキに折れるのだ。金とコネで集めた人材は裏切り、信頼できる仲間は散り散り、唯一そばにいるのは非戦闘要因が一人と、素性不明の英雄が一人。

 そんな状態に折れたアルフィノを立ち直らせたのは逃げ場になって常に励まし活を入れ続けてくれたオルシュファンと、厳しく当たりつつも見ず知らずの地を進むアルフィノを導き育てたニャン、そしてヒカセンだった。


 ニャン自体は竜のジョブクエをしっかりこなさないと「急にハマケンボイスで相棒とか言い出すなトラウマに刺さる」くらいの印象だが(膝にハマケンを受けた女)、彼がアルフィノに突きつけた「結局の所ヒカセンに頼るしか脳がないのか」に等しい発言はアルフィノにとっても、上記で散々語った「英雄の孤独」を抱えるオタクにとっても闇の中に差した光明だった。


 以降、アルフィノは目に見えて「自分にできること」にこだわり始める。そのできることが「薪拾い」だったりするあたりズレたお坊ちゃまであることに変わりはないが、そこは愛嬌と言ってしまって差し支えない範囲内だ。野営の薪拾い大事!!

 新生の中盤以降、彼はヒカセンでないと解決できないことがあれば「結局頼ることになってしまって申し訳ない」と詫び、自分ひとりで乗り越えなくてはいけないことに直面すれば「そばにいると頼ってしまうから」と別行動しようとし、たとえストーリー上強制進行でであってもたびたび「君はどう思う?」と問いを投げかける等ちゃんとヒカセンを見ようとしてくれる。

 インスタンスバトルの仕組みが新生よりレベルアップしてNPCとともに戦っている感が増したことと合わせて、プレイヤーを置き去りにするストーリー展開はアルフィノのおかげで改善されたと言ってもいいだろう。

 これは個人的な感想だが、4.0ではまたところどころ置いてきぼりにされた。なんでよ!!!!


 アルフィノへの感想が「暁のATM」だった私だが、いまではアルフィノくんが「頼ってしまうから……」と言い出すと「お姉ちゃんが解決してあげるから何でも頼ってよぉ~~~」と返す気持ちの悪いオタクにジョブチェンジした。兄認定のニャンに張り合うんじゃない。蒼天終盤から紅蓮終盤にかけてでありぜーちゃそのお姉ちゃんになりたい……とも言い出したので双子まとめて養いたい。家を買えない程度のGしか持ってないくせに。

 ほんの少し主人公を気遣うようなセリフがあるかないかでここまで印象が変わるのはすごい。


 1記事にまとめたかったのだが、ヒカセンの孤独とアルフィノくんのことだけでこれだと全部まとめて1万文字超えそうなので今日はここまで。


 次回はヒカセンと喪失についてです。