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紅蓮をやってる人間の今更蒼天前後の感想 ヒカセンと喪失編②

 前回は2.Xの範囲の話をしたので今回は3.0~3.Xの話をします。3.0のイシュガルドがまだ終わってない!という人は特にお気をつけください。


 前々回も、結局前回もヒカセンの孤独について触れた。

 周りからヒカセンへの態度も、選択肢や身振り手振りから伺えるヒカセン自身の心情も、3.0の途中くらいからだいぶ血の通ったものになってきた用に感じている。

 特にアルフィノとエスティニアンからの扱いは新生の頃の蛮神爆殺ウーマンとしてしかヒカセンを見ていないモブや仲間たちからのそれとは違い、比較的等身大の冒険者としてのものだった。


 そして、他のキャラクターからの対応の良い例の最たるものとして、2.0の頃からヒカセンに好意的な立場を取り続けた彼の存在が大きい。


 おそらく、事前情報無しで彼に出会ったプレイヤーとしてのヒカセンたちの彼への第一印象は「突然体つきを褒めてくるやべーやつ」だろう。

 私も「ヒカセンちゃん逃げて!!」が彼と出会ったときの感想だった。

 しかし、初めて会った頃の彼はエオルゼアの蛮神問題とは一歩離れた立場にいた。それ故なのか、ヒカセンがいつ彼の元を訪れても彼が褒め称えるのは、彼の旧友の窮地を救ったことであり、ヒカセン自身が鍛えた肉体であり、ヒカセンの内面のことばかりで、明らかに他のキャラクターとはヒカセンへの態度が違っていた。

 こいつ……やたら心の距離が近いな……と思いながら迎えた2.Xシリーズの終わりから3.0の最序盤にかけて、彼は三都市を追われたヒカセンを受け入れる選択をする。

 ……選択をするどころか、かなり前のめりに、イシュガルドのためにもなるはず!と言ってはいたものの明らかにヒカセン個人への友情と憔悴したアルフィノへの気遣いからヒカセンを迎え入れてくれた姿に、私は初めて「ああ、彼は本当に光の戦士ではなく一人の人としての主人公のことを好きなんだな」と、FF14ではじめてキャラクターのことを信用することができた。


 損得抜きに仲良くなれるのでは?と思ったシドとネロはすぐどっか行くし二人の関係性には勝てない、クリタワシリーズで距離の縮まったグ・ラハは仲を深める日まもなく眠りにつき、プレイヤーが個人的に好きで英雄のことを信頼して考えを打ち明けてくれたナナモ様はあんなことになり、今思えばヒカセンに入れ込む私はあの時病んでいた。


 その後も彼は事あるごとにヒカセンやアルフィノの様子を見に来てくれ、自分も仕事や事情が許すのであれば本当はヒカセンと一緒に行きたい!という友情と好意を隠さない。

いくら関係が微妙とはいえ、腹違いの兄弟のピンチに、同行していたヒカセンの名を呼びながら助けに来るレベルである。イベントバトル中に思わず目を疑ってマジで!?!?と言ってる間に一回死んだので、やり直し時にまじまじと確認してしまった。ほんとにヒカセンの名前呼んでた。

いままで「ここからはヒカセンの仕事だから俺は帰るわ!」という態度のキャラクターが多かった新生とは大違いである。

 

 そして、この記事のタイトルを見てわかるように、ヒカセンは彼を永遠に失うことになる。


 正直に言う。私は例のシーンは展開があまりにも急すぎてそこまで悲しいとは感じる事ができなかった。

 プレイ前から周囲の反応や公式のイラストなどよりなんとなく察していたのと、とある場所で思い切りネタバレされたためそうなることを知っていたこともある。

 それを差し引いても、死なせるためのご都合展開だなあ、という印象が強かった。


 しかし話をすすめるにつれて、プレイヤーの手を離れた「光の戦士といういち冒険者」である主人公にとって、あの別れは決定的な喪失であったことが話の流れや選択肢からじわじわと伝わってきた。

 彼を失ってから、ヒカセンの選択肢には「友」をキーワードにしたものや彼の存在や思考をほのめかすものが増える。

 場合によってはその選択肢を選ぶことで他のキャラクターから「そうか、君は彼のことを……いや、明言は避けよう」といった反応を返されることすらある(文章はうろ覚えです)。

 プレイヤーの預かり知らぬところで、ヒカセンがあまりにも彼のことを好きすぎるのだ。

 それが友愛か恋愛かはプレイヤーの解釈によるところだが、大きな影響を与えたことだけは公式設定なのだろう。もしかしたら、彼がヒカセンと友を認めてくれたように、ヒカセンにとっても彼が初めての友達であり、このまま未来が続けば友以外のなにかになっていたかもしれない人だったのかもしれない。


 私は女性キャラクターをメインに動かしているため、本気半分冗談半分でイシュガルドを「少し運命がずれていたらうちのヒカセンが嫁いでいたかもしれなかった場所」と呼んでいる。もしかしたら嫁いでいた相手はほかの二人(内訳は察してください)かもしれないが、彼のゆかりの場所に根を下ろしたかもしれないな、という意味合いが占める割合は大きい。


 私は現在、漆黒に片足突っ込んだ程度の進行でゲームを進めている。

 けれど、3.0から4.Xに至るまで、プレイヤーではないキャラクターとしてのヒカセンにあそこまで大きな喪失を味合わせた存在は他にいなかったように思う。

 3.Xにてパパリモとの別れも経験したが、彼はあくまでもイダとリセの相棒で、ヒカセンとの間の距離は遠かった。グリダニアスタートの私すらそう感じたのだから、他2都市スタートのプレイヤーからすればさらに距離を感じたのではないだろうか。プレイヤーとしては好きなキャラではあるのだが。


 ヒカセンの彼をほのめかすような選択肢は、大体が「彼から託されたのだから立ち止まるわけには行かない」「友のためなら」といったニュアンスの前向きなものが多い。

 それを見るたびに私は不安に思う。

 彼との別れは「彼に託されたことを果たそう」という決意や願いを超えて「彼に恥じぬ英雄でいなくてはならない」という呪いへ変わってしまっているのではないだろうか?

 それほどに、ヒカセンが不意に、本当にプレイヤーの預かり知らぬところで見せつけてくる彼への感情が重いように感じるのだ。

 4.Xまでの過程でヒカセンの仲間だと思えるキャラクターは増えたが、いつかヒカセンの喪失を埋めてくれるキャラクターは現れるのだろうか。


 ここまでヒカセンの孤独と喪失について語りつつ、2.X~3.Xとほんのり4.Xまでの話に触れてきたわけだが、4.0~4.Xについて語ろうとすると

「リセもうちょっとしっかりするか黙ってて」

「ドマまで幻水みたい!たのしい!って言ってたらそれ以降でティアクライスお出しされた気持ち(嫌いじゃないけどもとめてた幻水じゃない、でも紬時とか5よりはマシ)」

「水銀から気持ち悪さを薄めて属性に黄金を足した鳥海」

 あたりの感情で一杯になっていまいちまとまらないので、また漆黒中盤くらいで改めて振り返り記事を書こうと思う。

 潔いほど攻略の要素のないFF14記事だが、まあこのブログのPV程度では検索で引っ掛けて来る知らん人はほほいないだろう。

 キャラやヒカセンに対する気持ちの悪い長文記事が読みたくなったら忘れた頃に見に来てみてください。


あとは攻略じゃなく普通のプレイ日記とかも、なんとなく気が向いたら。



 特に意図したものではなかったのだが、本文中ずっと「彼」で通してしまったのでこれはこれで味があっていいかなともうこのままアップロードします。